グアム・サイパン太平洋の伝説


森の小人 ドゥヘンデス①

ドゥヘンデス DUHENDES, TRICKSTER ELEVS OF THE JUNGLE ①

 Duhendes(ドゥヘンデス)は踊り好きなジャングルの小人です。

 彼らは普段、大人の邪魔はしません。
 ドゥヘンデスは子供達と遊ぶのが大好き。
 彼らの一番好きな事、それは子供達にいたずらを仕掛ける事。けれど、時々度が過ぎてしまう事もあります。

 子供に魔法をかけて、どんどんと小さくする魔法をかけた時は、さらに小さく、もっと小さく、と調子に乗って、子供達の親が見つけられ程のサイズにまでしてしまった事。

 またある時は子供達から声を取り上げたりもします。このいたずら好きで頭の切れる小人達は子供達をジャングルにおびき寄せると、そのまま永遠に帰そうとしないのです!

 そう言えば一度こんな事がありました。
ロ―サという小さな女の子が寝る準備を整えている時の事です。彼女は叔母さんが編んでくれたパンダナスの葉のマットを広げました。
 ロ―サは竹の床一面に、このマットを敷きつめました。そして、とても疲れていたので横になって大きく伸びをすると、すぐに寝息を立て始めました。彼女の長くて黒い美しい髪はマットと床の上にひろがりました。ロ―サの髪の一部は、床のひび割れにまで届いておりました。
「痛い!」ロ―サは飛び起きました。誰かが髪の毛を引っ張ったのです。

「お父さんが床下に飼っている豚の仕業なの?」ロ―サはひび割れた隙間をじっと見つめました。何と床下では小人達が彼女の事を笑っていたのです。彼らはもう一度彼女の髪をぐいっと引っ張りました。

 「あ―イタタタタッ!痛いじゃないの!」ロ―サは自分の髪を束ねると力一杯引っ張り返しました。

 綱引きの始まりです。ロ―サは上から、小人達は下から引っ張るのです。このいたずら好きな小人達は引っ張っては笑いに笑って、そしてまた引っ張ります。けれどロ―サは違います。

 彼女は驚きのあまり泣いていました。けれどロ―サは力の限りを尽くして、思い切り引っ張り返しました。小人達はぐっと高く持ちあがり頭をぶつけました、最も彼らはげらげらと笑いながらそのまま落っこちたのですが・・・。

 ロ―サは髪の毛をまとめると、飛び上がって部屋を後にしました。そして母親のベッドにもぐりこみ、たった今何が起こったのかを話しました。
 ロ―サの母親は彼女の涙をぬぐって彼女の頭を優しく撫で、そして
 「いいかい、よく聞いておくれ。絶対にジャングルに入ってはいけないよ、あの小人達はいつだって茂みの中に隠れていて、もしもお前がジャングルに入ったなら、またその髪の毛を引っ張ってやろうと企んでいるんだから。」

 ロ―サは母の側に寄り添ってそのまま朝までぐっすりと眠りました。そして、それから決してジャングルへは一人きりで行こうとしませんでした。
 朝になるとロ―サの母親は、ロ―サの兄弟のミゲールの事を彼女に話しました。