JUAN MALO AND HIS MIRACULOUS MEDICINE① ワンマロと奇跡を起こす魔法の薬
Juan Malo はずっと長い間、スペインの薬や病気などの治療方法に興味を持っていました。
彼にとってそれはとても信じられない方法だったからです。
患者が熱にうなされている時には、スペイン人医師は「冷たい薬」を処方します。
患者が悪寒を訴えている時には、スペイン人医師は「熱い薬」を処方します。
彼にとって、これは全く筋が通っていなく納得できないことでした。
Juan Maloは、スペイン人達にチャモロ人も薬の事が分かっている事を見せる事に決めました。もしかすると、チャモロ人達の方がスペイン人達よりも薬に関しては詳しいかもしれないとも思っていました。
Juan Malo は病院の周り、辺り一面に大きなサインを掲げました。彼は「Juan Maloが貴方の病気を治します。」と宣伝したのです。
しかし、これはあまりにも大言壮語。病院の院長がこれを聞きつけた時、院長はとても不審に思いました。「一体どうやってどんな病気でも治すって言うんだ?」
病院にはたくさんの病気の人々がいて、一部の患者はもう何週間も入院していました。院長は一人でも多く、早く病院から出て、仕事に戻って欲しいと思っていましたが、病院での治療は効果が出ているように思えませんでした。スペイン人の医師達はこの患者達を治す事が出来ていません。
院長は、Juan Maloを病院に送りこむ事にしました。
「いいでしょう。」彼は答えました。
「もし私が貴方の患者全員を治癒させたならば、私に50の金を支払って下さい。」
院長はこの条件にすぐに同意しました。
「無論、この患者達にはこれまでに、それ以上のコストがかかってきたがな。」と彼は考えていました。
Juan Maloはここで自信たっぷりに付け加えました。
「もしも私が貴方の患者を一人も治療できなかった時は、お金は一切頂きませんよ。」
翌日、Juan Maloは2名のアシスタントga-chongsを連れて病院へやって来ました。そして一人一人の患者の元を廻りました。
彼は一人ずつの患者に同じ事を言いました。
「これから話す事は秘密です!私が言う事を他の誰にも話してはなりません!必ずこの秘密を守ると約束して下さい。」患者は一人残らず、彼と約束を交わしました。
「私は貴方の病気を治す事ができます。ただ、これを実行するには、あなたが飲む薬を調合しないとなりません。この薬というのがですね、非常に難しくて…」そこでJuan
Maloはポーズをとりました。
「この薬を作るには、この中の患者を一人選んで、彼をパウダー状になるまで粉々にすり潰さないとなりません。」
患者達は瞬間、皆一同に青褪めました。Juan Maloは続けました。
「これは秘密ですが、一番具合の悪い人を選んで、その人を粉薬に使う事にします。それから足が悪くて歩けない人を選びます。この2人が他の患者さん達を救うために、私が粉々に轢かなければならない素材です。わかりましたか?」
患者達は皆、十分すぎる程、完璧に彼の言う事を理解しました。