タガ王の伝説 THE STORY OF TAGA③
タガ王
テニアンのチーフは、こんなに強い力を持った男は後にも先にも彼だけであろうと思いました。
チーフは彼に「テニアン島のチーフ」の称号を授けました。その時から、島の人々はタガを恐れ、尊敬するようになりました。
この新たなテニアン島のチーフは、村を作るのに最適な場所を選びました。
その土地は実りの多い養分に飛んだ地質で、漁場になっている海の近くでもありました。そしてまた、彼は島中にあるどんな家よりも、大きな家を建てる事に決めました。
近くの小さな浜辺の上には、素晴らしいラッテを作る種類の岩でできている崖も見つけました。
それからずっと、彼はチーフの座についていたので、たくさんの男達が彼の為に働きました。タガは彼の力を皆に見せる為、自分自身でこの石を削りました。
また一人でacho latteを彼の村に持ち帰った事もありました。そうして、とても大きなタガの家が、村の中央に建ちました。
タガの家が遂に完成した時、島では盛大に祝いました。他のどんな建物も、タガの家には到底敵わない大きさでした。12個のラッテを使った彼の家はマリアナの中でも最大の大きさを誇るものでした。
チーフは改めて、彼は全てを自分自身でやってのけて、さらに自信の強靭さを証明した最強の人間であると感服しました。
年月が過ぎて行きました。タガのテニアン島での暮らしは非常に充実していました。彼は自分の新しい家や彼の村、彼の部隊と彼の下男下女達の事を、それは大層自慢に思っておりました。彼の側にはいつでも忠実な妻と、愛らしい娘が常に寄り添っていて、妻がもう一人の子供を身ごもった聞いた時には、彼のプライドは更に膨れ上がりました。
ただ、その様子は新しい子供の為と言うよりも、彼自身、自分の強さとエゴに酔いしれていくようでした。
「俺はこの世で最強に強い男だ!!」事ある毎に村人に聞かせ、既に誰一人としてこの最強のタガに挑戦を挑むものなど居りませんでした。
その後しばらく、タガはそわそわして落ち着かなくなりました。彼は未だにサイパン島の近くに行ってみた事がなかったので、ある日行って見る決意をしました。
「もしかして、私より強い人間がいるかも知れぬ、いや、もしかしたらその男は闘いをしかけてくるかも知れぬ。」タガは妊婦の妻と、その他多くの軍勢を引き連れてサイパンへ向かいました。