グアム・サイパン太平洋の伝説


グアムを救った女性

グアムを救った女性 HOW THE WOMEN SAVED GUAM ④

 男達は拾い集めた網を抱えて、とぼとぼと村まで歩いて戻ってきた。

 そこで女は話しかけた「すぐに次の狩りに備える為にも私達にその網を直させて下さい。」

 男は笑ってこう言った「俺達の偉大なる長、maga lahiにだって歯が立たない状態だって言うのに女のお前達に何ができるって?」
 島で一番の賢明な長老婆、maga hagaは頭を振った。

 彼女は男がその場を去るのを待ち、そして話し始めた。

 「手を休めてはなりません。私と一緒にAGANAの泉へ向かうのです。そこで顔と手を清めて心をリフレッシュさせてから、我々のmaranan uchan先祖達の骸骨に助けを求めるのです。」
 しかし、彼女達がAGANAの泉へ辿り着いた時、その水にはたくさんのレモンの皮が浮かんでいたのだった。

 Maga hagaは、その水の意味する事を瞬時に悟った。
 元来、レモンを水に浸してそれで髪に香りをつける行為は、pagoの女達の習慣であった。それがここにあると言う事は、つまりAGANAとPAGOが地下で既に繋がっていることを意味している。怪物がグアム島を食べ続けているのである…すぐにこの島は消えてなくなってしまうだろう。

 「急いでこの泉に集まってこの水を取り囲みましょう。我々が何を犠牲にするべきか、今わかりました。 私達の美の象徴、髪の毛です。皆の者よ、自ら手助けをしようと思う者だけ、この場で頭を垂れてくれれば私が髪の毛を切り落としましょう。」
 女達一人一人が 泉へと一歩ずつ踏み出し、冷たい水のほとりでひざまずき、そして額を黒い岩の上につけた。

 年老いたmagahaga は、彼女の使い古した貝で出来た短剣を出し、まず感謝を捧げた。
 そして勇気を奮い立たせられる様に祈ると、素早く女達の髪の毛を次々に切り落としていった。
 「今から、新たに織物を始めるのです。」

 再び女達は夜を徹して機織りを始めた。その指は一時も休まず、まるで妖精が羽ばたくかの如く、動き続けたのであった。
 彼女達は互いに、歌を歌い合ったり、物語を語り合ったりしながら励まし合った。

 もう背中にかかる長い髪が既になくなっていたので、女達の頭はとても軽く感じられた。
 しかし誰もが悲しまず、逆に軽くなった頭の中は希望に充ちあふれ始めていた。
 星が輝きをひそめ、夜が明け始めた時、とうとう織物が完成した。